一般皮膚疾患治療
円形脱毛症
円形脱毛症とは?
円形脱毛症は一般にもよく知られた疾患ですが、原因は未だはっきりとはわかりません。
考えられる原因としては、「精神的ストレス」「内分泌異常」「自己免疫疾患」などがあげられますが、明らかとなることはまれです。ただし、初期の円形脱毛症のほとんどは治療により発毛します。
原因は不明ですが、病態はそれなりに判明しています。
脱毛した部位の皮ふを検査すると、毛根の周囲に白血球が集まっている所見が得られます。すなわち、自分の細胞が自分の毛根を攻撃しています。その結果、毛根が破壊されて、毛が抜けていると考えられています。
脱毛の範囲によって、
全頭脱毛症(脱毛が多発することで、頭髪のほとんどが欠損した状態)
汎発型脱毛症(頭髪以外に眉毛やわき毛、陰毛なども欠損した状態)
になることもあります。
円形脱毛症の原因は不明ですが、時には別の病気があることで二次的に脱毛が生じることがあります。
特に女性では甲状腺疾患、膠原病により脱毛することがあります。
そのため、多発する円形脱毛症では、初診時のみ、①甲状腺機能②膠原病について血液検査でチェックすること勧めています。
円形脱毛症の治療について
円形脱毛症のほとんどは自然に治癒します。しかしながら、難治な場合や急速に拡大する場合もあり、さらに全頭脱毛症→汎発型脱毛症と進行することもありますので治療が必要です。
円形脱毛症の治療はすでに皮膚科学会でガイドラインが提唱されており、ほぼ確立しています。
基本的にはこのガイドラインに沿って治療を行います。
1. 現時点で脱毛が進行しているのかどうかで二つの群に分けます。進行しているときを「進行期」、脱毛の進行は止まっているときを「固定期」といいます。進行期にはまず脱毛自体を止める治療が必要です。固定期には毛を生やす治療が必要になります。
2. 脱毛が進行しているかどうかの判断には牽引試験を行います。引っ張って、容易に脱毛するようなら進行期と判断します。
3. 進行期では、まず脱毛を止めるための治療を行います。全体の1/4以上の脱毛があり、さらに進行しているときには、ステロイドのパルス療法(3日間大量のステロイドを点滴する。入院が必要。)を行います。この場合は弘前大学病院皮膚科を紹介します。 脱毛面積が1/4以下の場合は、ステロイドの内服等を考慮する場合があります。
4. 固定期(脱毛は収まっており、脱毛斑のみ認められる状態)では、 毛を生やす治療を行います。いわゆる円形脱毛症の治療のほとんどはここに相当すると思います。
実際の円形脱毛症の治療方法
当院では、
§ 脱毛斑の数が少ない(全部合計しても手のひら大まで)ときは、ステロイド外用を行います。
§ 脱毛範囲が広い(合計して手のひらを越える)ときには、局所免疫療法等の治療のため弘前大学病院皮膚科を紹介します。
円形脱毛症のステロイド局注(現在、当院では行っておりません。)
ケナコルト-Aというステロイドの懸濁液と局所麻酔を混合して、注射器で皮ふに注射します。
局注は数カ所に分けて、少量ずつ注射します。
だいたい、2週間から1ヶ月の間隔で局注を継続します。
あくまで、発毛を促す治療ですので、発毛が認められた時点で局注を終了します。
○利点
· 統計上、発毛効果が証明されている数少ない治療です。
· 即効性があります。多くの症例では、1ヶ月程度で発毛が認められます。
○欠点
· 局注時に疼痛があるため、小児の治療には使用できません。
· 長期間に及ぶと皮ふが薄くなるという副作用があります。また、ホルモン剤ですので、副腎皮質ホルモンの分泌に影響を与えたり、女性では生理不順が生じることがあります。
· 妊娠中、授乳中の方には使用できません。
· 1回のケナコルト-Aの投与量に制限がありますので、手のひら大より広い脱毛症には適応できません。
よくある質問
主な診療内容
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